みなさん、はじめまして。この度GOOD INNOVATION LABで「社会を良くするイノベーション」というテーマでコラムを書かせてもらうことになりました、世瀬(せせ)と言います。某広告会社の上海支社でシニアクリエイティブディレクターとして働いています。普段は「IDEAFUL」(@ideafuls)というアイデアを集めるTwitterアカウントをライフワーク的にやっていまして、読者の中にはフォローしてくださっている方もいらっしゃるかもしれません。
「え、上海でどんな仕事してんの?」
「世瀬って中国語できんの?」
「てかロックダウンやばそうだけど大丈夫?」
「IDEAFULっておまえがやってたの?」
とか多々気になる点もあると思うのですが、一旦今回はその辺の事情を横に置いて、まじめに一人のクリエイティブの視点から「社会を変えるイノベーション」についてちょっと語らせてもらいたいと思います。ちなみに各月でコラムを書くことになっているので、気長にお付き合いいただけるとありがたいです。
早速ですが、みなさんに質問です。
「イノベーション」って何だと思いますか?
イノベーションという言葉はこの10年(いや、もっと前から?)、とにかくあちらこちらで聞くようになりました。「もっとイノベーションを起こせるようなアイデアを考えよう!」とか上司やクライアントさんにも散々言われた気がします。若かりし頃の僕は、とにかくインパクトがあって、テクノロジーなんかも駆使して、業界にでっかいゲームチェンジを起こしちゃうような物事の総称をイノベーションと呼ぶのだと思っていました。読者の中には、同じようなイメージを思い浮かべた方もいるのではないでしょうか?
「イノベーション」を辞書で引いてみると「技術革新」「新機軸」「社会にインパクトをもたらす変革」とか、何やら難しそうな言葉が羅列されています。確かにどれも間違っていませんが、実はもっとカジュアルに考えてもいいんじゃない?と僕は思っています。だって、イノベーションってもっと自由で楽しいものだから。
そこで、記念すべき第一回目のコラムのテーマは「1万円から始められるイノベーション」にしてみました。「え、そんなお金でできるわけないでしょ!」と思った方、ちょっと身の回りを見渡してみてください。例えば「黒い綿棒」(たまたま僕のデスクの上に置かれていました)。白い綿棒だと見えにくかった耳垢がはっきりくっきり見えるという理由で大ヒットした商品です。ただ色を変えただけですが、「綿棒は白いものだ」という常識をぶち壊し、耳かきカテゴリーに新機軸を作り上げた、これも立派なイノベーションだと思います。
このように、世界には“最小限の力で最大限の効果を引き出す”ローバジェットなイノベーションが溢れています。最先端の技術を用いたり莫大なコストをかけずとも、ちょっと視点を変えるだけでイノベーションは簡単に生み出すことができます。必要なのは、とびっきりの「アイデア」だけ。ほら、何だか思ったより簡単で楽しそうな気がしてきませんか?
本題に戻ります。「社会を良くするイノベーション」が本コラムのテーマです。「社会を良くする」なんて言うと何だか更に難しそうですが、心配ご無用です。みなさんが思っている以上に自由で楽しい、世界のローコストなイノベーションの数々を一緒に見ていきましょう!
成熟度順に並べたバナナのパッケージ(韓国 / Emart)
出典:Independent
お隣、韓国のスーパーマーケットE-Martが生み出したイノベーションは、バナナのパッケージです。しかも、かかったコストは1万円どころかほぼ0円!(と言っても過言ではないでしょう)出荷されたばかりの青みがかったものから完熟の黄色いものまで、まるで色鉛筆ケースのグラデーションの様に綺麗に並べられています。パッケージの外側に大きな変化はありません。ただ内側のバナナを成熟度順に詰め直しただけで、いつでも食べ頃のバナナをお客さんに提供することを可能にしたのです。「まだ青過ぎて食べられない」とか「熟し過ぎちゃったから捨てなきゃ」といったバナナに関する悩みがすべて解決される、鮮やかすぎるソリューションだと思いませんか?過剰な供給によって生まれる食料廃棄は世界的な社会問題ですが、このバナナのパッケージはきっとその問題解決に一役買うことでしょう。
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